厚切り豚肩ロースのソテー(フライパンのみの加熱)
ざっと調理工程を見てみましょう。
まずは全体を把握すると理解が早いです。
- 豚肩ロース(厚さ2〜3cm)に塩して30分ほど常温で放置
- 少量の油を引いたフライパンに肉を乗せ、弱〜中火で加熱をはじめる
- 2分経ったらひっくり返す×2回
- そのあとは1分おきにひっくり返しながら
- 最終的に外側をメイラード反応させ、芯まで60度になったら
- 暖かいところで1〜2分放置
- 出来上がり!
豚から脂が溶け出たら、ニンニクやハーブを入れ油自身に香りつけて焼くと複雑さが出て美味しくなります。
お肉を焼く時はひっくり返さずに片面ずつ焼き色をしっかりとつけるって聞いたことありますよね、これは正解なんですが目的が変わると手段も変わるのでこれだけを盲目的に信じるのではなく、ちゃんとゴールと通る道を見ながら行きましょう。
調理手順が「これだけ知っとけばOK」みたいなのはほぼ使い物になりません。その時作るものによって最適な手法を考えることが食べ手のことを考えることにつながるのです。
ひっくり返して美味しい料理にしましょう!
加熱プロセス
フライパンが「くっつかない」「低温から始められる」と言う利点を生かして、ほぼ常温の温度からから焼き始めます。じわじわ温度が上がることで表面を焼きすぎず内部に熱を伝えていきます。
1の理由は、塩をある程度浸透させる目的と焼き初めの温度を高い温度からスタートするためです。
肉の表面には微生物が少なからずありますのでそれが増殖しますね。でもこのあと加熱するので大丈夫です。それに30分でタンパク質が腐敗することはないですよ。ご心配なく〜
2~3では本当にじっくり温めるイメージです。肉自身が熱を持ってきて内部までじわじわ熱を伝えていく。これを両側からやるんですね。
4ではある程度熱くなってきたのでひっくり返すのを早めます。するとこうなります。
高温にさらされる1分+ひっくり返されて常温にさらされる1分
これは、
フライパンによる加熱と、常温下に置かれて余熱で加熱とを繰り返し行っている
ということです。厚みのある肉だからこそできる加熱法ですね。一方を加熱し、もう一方を休ませる。休ませている側は余熱で火入れしているということです。これを繰り返していきます。
表面のメイラード反応は最終的に起これば良いことなので、無理に温度を上げなくても表面は次第に硬化して水分が押し出され焼き色が付きやすくなるので、今はひっくり返すことに注力しましょう。
また、豚肩ロースは過加熱になっても美味しい部位なのでそこら辺はざっくりと考えても大丈夫です。あと、表面と内部の火入れに差があってもそれも余計にいいですね。
外側の水分が抜けた箇所と内部のジューシーさで食感が楽しくなりますからね。
- フライパンに肉を置いてから火をつける
- 弱〜中火で加熱
- ひっくり返すを繰り返し、焼く面と休ませる面の役割をはっきりさせる
- 最終的に表面はメイラード反応し、内部まで熱が入った状態にする
厚切り肉を焼くのは初めの温度が何度かによって加熱時間と難易度が変わってきます。
冷蔵庫が2度だとして、室温が22度だとするとすでにそこには20度の差があります。
目的の温度は芯音が60度なので22度スタートの方が圧倒的にイージーです。
厚みのある肉は焼くのが難しいとされていますが、このように調理工程の理由がわかっていればなんてことはないです。
焼きながら休める。まあ、肉は休んでる暇はないですが。すぐ食べちゃいますしね。
というわけで今日もありがとうございました!