しっかりとメイラード反応させよう
皮は実は何層にもなっており、各層は硬さや分厚さも違います。でもグリルの強い火力で焼ききることで香ばしい香りが出てきます。香りもご馳走の一つですよね。焼き魚の味を構成している「香り」の部分はかなり重要なので意識して仕上げましょう。
ちなみに魚の臭みの原因の一つとして血液があります。この血液の匂いというのは結構強烈でなかなか手強い存在ですが、皮を香ばしくすることである程度マスキング効果が得られます。皮をしっかりとメイラード反応させ香りを引き出しましょう。

ここで最も重要なのは実は内臓の加熱です。
サンマなどの背の青い魚に限らずほとんどの魚には何かしらの寄生虫が入っていると考えて良いでしょう。ちょっと気持ち悪いかもしれませんが全て加熱で死にますのでご心配なく。なので内臓までしっかりと熱を入れることが重要です。脂ののっている魚は内臓にもたくさん脂があり内臓の加熱は割としっかりできているものですので、そんなに神経質にならなくてもいいかなと思います。ま、知識として覚えといたらいいかな〜くらいです。
ちょこコラ:アニサキスの話
アニサキスの話
アニサキスは魚の内臓や内臓付近の筋肉内部に棲んでいる寄生虫です。
こいつらは宿主を転々としながら生きています。
アミエビなどの小さな甲殻類にいて、それを餌としている魚が食べて移り、それを食べて移りそれを食べて移りの繰り返しで、最終的にクジラまでいきます。そこで卵産んでそれが排出されアミエビが食べておかえりなさい!です。
人が生きているアニサキスを食べると、腸に寄生しようとして腸壁から侵入しようとしてすごいひどい痛みに襲われます。薬では治らず内視鏡などでアニサキスを摘んで除去しないといけません。大変ですね。主な原因はサバやサンマ、カツオなどの生食です。筋肉内部にまで入り込んだアニサキスに気づかず刺身にしてしまった場合などですね。
料理人はどこの部分にアニサキスがよく入っているかを知っているので、魚を捌くときはいつも気にしているのですが、この食中毒はなかなか減らないです。
焼き魚にするときはしっかり加熱してやっつけましょうね。また、アニサキスはアレルゲンでもあるのでこの場合は死んだアニサキスを食べてもアレルギー症状が出ます。
ちなみに他の寄生虫は人に寄生しないものばかりです。なのでもし食べても問題なしです。
今回はちょこっとじゃなくて結構大事な話だったので長めになっちゃいました。。
焼き魚グリルの美味しさ:まとめ
- 皮をしっかり焼いて香りを引き出すとより焼き魚らしくなる
- そして臭みをマスキングできる
- 身は脂ののった個体なら外部に出ていきにくい構造なのであまり気にしなくてもふっくらと仕上がる
- 内臓までしっかり火を通す
- 魚焼きグリルはこれらを容易に調理できる優れもの
- 熱効率も良く省エネである

ということで割とイージーに調理ができますね。
おうちで魚料理ってなかなかハードルが高いようでとても簡単にできますから、ぜひ試してくださいね!
では今回もありがとうございました!