前回こちらでレシチンを使っての「泡」の作り方を解説しましたところ、
かなりの好評をいただき、今回は失敗例などを参照して
『うまくできなかった時の対処法』について説明したいと思います。
- レシチンを使った泡がうまく作れない
- レシチンの泡がすぐに消えてしまう
- レシチンの泡ができない
- レシチンの泡の持続時間が短い
状況によって泡ができない原因は異なり、対処法を試してみてもうまく改善されないこともあるかもしてません。
ですが「原因+解決」の全てを網羅することは実質的に不可能に近いですので、ご自分のケースに当てはま理想なものから読んでいただいてお試しください。
レシチンを買ったはいいけど、泡がうまくできなかったら嫌ですよね?
そんな方のお悩みがこの記事で解消されたら幸いです。
では今から原因を挙げながら解説していきます。
_φ(・_・ もくじ
レシチンの泡がうまくできない時
まずここでは「泡ができない」「泡が立たない」ということにクローズアップして解説していきます。
根本的に泡ができないということは大まかに分けて2つの要因が考えられます。
液の濃度が高い
泡立てようとする液の濃度が高い場合、失敗します。
ここでいう「濃度が高い」とは『シロップ原液(ex.カルピス)』『ゼラチン質の多い液体』を指します。
レシチンは液体の濃度を少しだけ上げるような作用があり、ここで過度に濃度が上がってしまうと「ねっとりした泡」になってしまい、立体的な泡の形を保持できません。
私はモナンシロップを使って「甘い香りの泡」を作っています。(タイトルの写真がそうです)
気をつけるべき点は「シロップの割合を多くしない」ことです。
ここに気をつけてやってみてください。
レシチンはできるだけ泡作成直前に加える
レシチンを液体に加えると、若干の濃度がつきます。
それが泡の原因になるのですが、
「レシチンと液体ががっちり結びつく前に泡にしたほうがうまくできます」
なので、前日にレシチンを入れて準備しておくのではなく
当日に、できれば提供直前にレシチンを入れて泡を作るようにしてみてください。
きっとうまくいくと思います。
「レシチンの味」は感じにくくなります。
液の温度が低い
冷蔵庫で冷やしている液体にレシチンを入れて泡を作っても、上記で説明したような「ねっとりした泡」ができてしまう場合があります。
冷蔵庫の温度にもよりますが、私は1〜2℃に設定しているので泡の出来が非常に悪いです。なので必要な時間の30分ほど前に冷蔵庫から出しておくか、提供直前に常温の水でシロップを薄めるようにしています。
液体が冷たい状態でされている方は常温の水を使って一度試してみてください。うまくできると思います。
- 濃度を低くする
- 温度を常温に近づける
レシチンの泡が消えてしまう時
細かい泡で形状を保持しやすい
荒い泡は消えやすい。ダレやすく形状を保持できない
泡が消える原因はいくつかありますが、主な要因を書き出して対処法を解説します。
まず基本的なことですができる泡は細かい方が良いです。
泡の大きさが小さければ小さいほど強固になります。壊れにくい泡は持続時間が長く、お客様が料理の写真を撮るアングルに悩んでいても大丈夫。かなりの時間持続します。
逆に泡が大きいと、1粒壊れただけで大きな穴が開いてしまいます。1粒壊れてしまった衝撃で連鎖的に壊れてしまうことも多々あり、これには物理的な解決法と、分量的な解決法が提案できます。
泡が消えてしまうことの解消法1
まず、泡を作るには絵アレーションポンプが最適なのですが、このポンプの空気出口が「小さな気泡がたくさん出る形状」であることが大前提になります。
このようなエアストーンを使用しないとうまくいきません。しかも「セラミック製」でないと衛生面に不安があります。
細長い形状のものより、球形の物の方がうまくいきます。
形状が違うとわかった方は、早急に買い替えましょう。
また、球形のエアストーンを使っていても、使用する液体によっては目が詰まってしまうことがあります。
(もちろんそうなる前に対処しなければいけませんが)その際にはぬるま湯ハイターなどを使って綺麗にしましょう。
もう一つポイントなのですが、使用後はチューブ内を綺麗に洗浄して乾燥させる必要があります。
チューブ内は湿気が溜まりやすくカビの原因となることがあります。使用後洗浄して、エアストーンは外してチューブを吊るすようにして保管すると良いでしょう。
泡が消えてしまうことの解消法2
エアストーンを新しくしても改善されない場合は、今一度改めてレシチンの最適量を考えてみましょう。
レシチンは多すぎても少なすぎてもうまくいきません。また、対象の液体の濃度や酸度でレシチンの必要量は変化しますから、一概に全体量の何%ということができません。
それに少しでも湿気を帯びたレシチンは重さを測ってそれは正確な数値ではありません。
まずは少なめから始めてみましょう。もしくはレシチン全部を溶かしてしまう前に一度ポンプを作動させてみてください。
レシチンの%は泡の大きさに非常に関係してきます。
少なめから始めてだんだんと溶かしてレシチン濃度を上げながら試してみてください。
これでベストな量がわかってくると思います。
- 球形のエアストーンを使う
- レシチンが多すぎるので溶かしつつ泡を作ってみる
泡がダレる
細かい泡ができていてもうまく造形を保持できずに、重力に従って形を崩していくことがあります。
この原因としては「液体の濃度が濃い」または「レシチンの量が多い」(←レシチン濃度が高すぎて液体濃度が上がっている状態)ということが考えられます。
球のように立体感のある泡は、みている人に驚きを与えます。
これが半円だと感動も半減してしまいます。
泡の効果として「見た目のインパクトを与える」ということがありますが、まさにこれを狙ってやらなければもったいないくらいです。
もくもくとした雲のように。または綺麗な球形で。といったようにインパクトのあるルックスを容易に作ることができるのも泡の利点です。
これを最大限に生かして料理を彩ってみてください。
- 液体濃度を低く保つ
レシチンの泡の問題点解消法まとめ
僕はこのレシチンを実際に使っています⬇︎
今回の記事のポイントをまとめました。これで必ず解決!
そして確実に泡は完成されるでしょう!
もしできなくても根気よく原因を潰していくと必ず完成します!頑張ってください!
- 液体の温度は低すぎないように
- エアストーンは球形
- 細かい泡は保持時間が長い
- 全体の濃度を調整する
- レシチンはだんだんと溶かして使う