今年初のみかんが到着しました。
愛媛県宇和島の「真穴みかん」です。
多くのフルーツや野菜は冷蔵庫に保管されますが、みかんは常温でこたつの上に置きっぱなしたりしてますよね。
それは何のためなのでしょうか。
人々は知らず知らずのうちに「知恵」を使っていたのかもしれません。
追熟させるために常温で保管
日頃トマトはよく常温で追熟させています。
追熟させると糖度が上がり酸味とのバランスがだんだん取れてくるんですよね。そして色も濃くなって見た目にも美しいおいしいトマトに生まれ変わります。
皆さんはトマトは常温で置いていますか?
「トマトは冷蔵庫に入れちゃだめ」って言ってるんですけど、冷やしておかないと腐ってしまいそうで怖いですよね。
しかし冷蔵庫に入れると追熟が超スローになります。
いわば延命措置?のような感じでしょうか。
常温の追熟も日数の限界を越えるとジュクジュクになって、皮が破れたところからカビが生えてきて内部を腐らせてしまいます。
「熟す」という言葉は行きすぎると腐敗につながります。でも野菜やフルーツに関してはそんなに神経質になる必要はありませんけどね。
追熟は温度と関係がある
科学的なエビデンスはないですが、それより何よりロマンティックな「追熟」
ぶっちゃけて言うと追熟は温度と深い関係があります。
ジャガイモやキャベツは冷蔵保存して糖度を高める方法が有名ですが、フルーツやトマトなどは温かい方が追熟が進みます。
「冷蔵庫に入れると糖度が下がる」とは果樹農家の垣内さんの言葉です。
どうしても冷たく冷やしたフルーツを食べてい時は、食する2時間前に冷蔵庫に入れてくださいとのこと。
確かに冷蔵すると甘さがぼやけて味が決まっていない感じがします。
酸味の量も変わってくれるのならバランスが取れるのかもしれませんが、そういうわけには行きません。
「フルーツは常温で」
僕は長い間そうやってきましたが一般的ではないはず。
そこでみかんのことを思ったわけです。
みかんを甘くする「こたつの上で放置」
おばあちゃんの知恵ではないですが、民間療法的なみかんの保存場所は決まって「こたつの上」
これには多分(憶測ですが)しっかりと意味があって。
そうです。「室内でも比較的暖かいこたつの上」で放置=追熟です。
昔のみかんは今ほど上出来なものは少なく、酸っぱかったという思い出があります。
買って(もらって)すぐに食べちゃうと「すっぱ!」となって。ゆっくりと余裕を持って食べるのがよかったんですね。
当時はそんなこと考えもしなかったですよ。
酸っぱい僕の顔を見ながら、じっとこたつの上に鎮座して
寒さに凍え暖をとる人々を尻目にゆったりと温度を上げて追熟していたんでしょうか。
何はともあれ、追熟は不思議な作用。
樹から採られて何日もかけて赤くなっていくトマト
樹から採られて何日もかけて甘くなっていくみかん
生きてる?死んでる?ゾンビ?
命はいったいいつ終わるのだろう。。。
そんなことを考えさせられるみかんの話でした。