鶏レバーパテを安全に低温調理する温度と時間:カンピロバクターのパスチャライズ

家庭用低温調理機は使い方次第で美味しい料理ができますね。

今回はワインのお供に最適なレバーペーストを紹介します。

_φ(・_・ もくじ

低温調理機で作る鶏肉レバーペースト

まずは材料です。

  • 鶏レバー
  • 鶏胸肉
  • 豚バラ肉(パンチェッタ)
  • ニンニク
  • オリーブオイル
  • グレスドワ(鴨脂)
  • 塩、スパイス

レバー以外の肉類が入りますが、レバーとの割合は6:4くらいがいいでしょう。

塩は全体の1〜2%ですね。後で調整できますからご心配なく。

聴き慣れないグレスドワという鴨脂が入りますが、これを入れるとグッと風味が良くなるんですよ。

鴨胸肉を掃除した時にとっておいて冷凍しておけばわざわざ買わなくても大丈夫。

では次に低温調理機に何をさせるのかを理解しておきましょう。

低温調理機を何度で使うのか?(=60度で1時間)

主に二つの目的で低温調理機を使用します。

  • 大腸菌をパスチャライズする
  • タンパク質を硬くせずに加熱調理する

それぞれを少し掘り下げてみましょう。

パスチャライズ

鶏肉は筋肉部と内臓に食中毒菌が含まれている場合が多く、芯温75度で加熱調理するのが一般的です。

凶悪な菌はこの2種類

  • カンピロバクター
  • サルモネラ

どちらも不完全な加熱調理、または生食することで人に感染します。

人の体温が菌の繁殖にはもってこいなので口に入れた途端、爆発的に増えていきます。怖いですよね。

しかし弱い菌なので少しの加熱で死にます。ですが食味と安全性を両立させるのがむずかしいのです。

75度で加熱するとタンパク質は硬化し食感が硬くなるとともに水分も失われ味が損なわれます。

ここで登場するのがパスチャライズという技術です。

言い換えれば「低温殺菌」です。健康的な牛乳でパスチャライズは有名ですね。低温で長時間殺菌する方法です。

これを低温調理機でやってしまおうということです。

サルモネラのパスチャライズは芯温60℃で35分ですので、60度に余熱した低温調理機に入れた後、1時間すれば確実にパスチャライズできますね。

タンパク質を硬化させずに加熱する

上記でも示したとおり硬くなってしまっては、せっかく新鮮な素材を手に入れたとしても残念な結果だと困りますよね。

タンパク質は70度くらいら硬くなっていきますのでその温度を超えないようにするということですね。

水温を一定に保つことができる低温調理機では簡単に設定できますね。

キモは加熱温度が高くても著しく硬くなることはないのですが、例えばハツだとこれは心臓の筋肉なのでかなり縮みますしかたーくなってしまいます。

今回入れる鶏胸肉や豚バラ肉も硬くなってしますので低温調理機を存分に活用していきましょう。

60度で1時間するパスチャライズと一緒に加熱すると確実ですね。

レバーペーストの作り方:作業工程

ではここからは手順を紹介していきます。まずは下にまとめますね。

  1. 鶏レバー、鶏胸肉を掃除する
  2. 袋に肉類、ニンニク、グレスドワを入れ
  3. 低温調理機で60度1時間加熱する
  4. 全てを冷却する
  5. フードプロセッサーにかけ濾す

では順に説明していきます。

1、鶏レバー、肉類の掃除

掃除というのは「いらないところを切除する」作業のことです。

鶏レバーやハツなど

これらの内臓には血が入ったままになっています。冷蔵〜常温では血は固まった状態なので目視で認識できます。

レバーなら2つや3つに割って中を確認すると、黒く固まった血が見えると思いますのでそれをできるだけとってください。この後洗いますがここでとっておくと後が楽になります。

購入するお店によってはレバーはハツと繋がった状態で売られていることもありますが

ハツの場合は脂を切り落とし(白い部分)2つに開いて中の血を取り除きます。

白い部分が脂です

その後水洗いを繰り返してきれいにして、牛乳か水につけてしばらく冷蔵庫で保管します。

ここで重要なのが「仕込みの終了後にきちんと洗う」ことです。

言わずもがなまな板や手指は菌に汚染されている可能性が高いので、きれいに洗浄した後はアルコールなどで消毒しましょう。そして洗浄前は他の場所に触らず二次汚染を防ぎます。

菌は目に見えないので良く洗い、消毒することが大切です。

他の肉類の掃除

鶏胸肉は皮をとり、切り分けて中央の筋と血管を取り除きます。

血管は残っていてもパスチャライズされるので安全性には問題ないのですが、味と見た目に影響してきます。

鶏胸肉の掃除方法についてはこちらの記事を参考にしてください。

豚バラ肉はそのまま使用してOKです。

2、袋に入れて 3、低温調理機で加熱

掃除したレバーを水切りし、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。

レバー、鶏胸肉、ニンニク、グレスドワを袋に入れ内部の空気を抜きます。

使用する袋ですが、ポリエチレン製のものをおすすめします。(スーパーの袋詰めする台に備え付けの袋の材質です)

安価で熱に強いですし、何より薄くて低温調理では熱効率もいいです。

真空包装機がない場合でも薄くてしなやかなので空気が抜けやすくとても使いやすいです。

僕が使っているのは「福助工業のフクレックス」という商品です。
NO12が使いやすい大きさですよ。

低温調理機をセットして余熱されたら、袋を浸けて1時間加熱です。

ここでは塩を入れません。

4、冷却する

短時間で急冷することで驚くほど保存期間が長くなります。

弱真空状態のまま流水である程度まで温度を下げておいて、氷水につけて冷却します。

袋の中にはレバー、肉類、溶けた脂と水分が入っています。

冷えたら重量を計り、1〜2%の塩とともにフードプロセッサーにかけます。

5、フードプロセッサーにかけて濾す

フードプロセッサーで回しながら味見をして塩を調節します。

レバーペーストは冷えた状態で食べるので、冷えた状態を味見することが大切です。

生クリームを加えるならこのタイミングです。入れてもいいですが賞味期限が短くなります。

グレスドワのおかげで風味良く、ボディ感も出ますので生クリームはいらないと思いますがお好みで。

きれいにペースト状になったらザルで濾します。

はじめにレバーの薄皮を取らずにここで濾すことで作業時間の短縮になりますね。

出来上がったら

容器に入れ冷蔵庫で保管ですが、空気に触れるところから茶色く変色していきます。

これは鉄分の酸化ですのでしょうがないのですが、ラップを密着させるなどして対応します。

レバーペーストまとめ&おまけ

低温調理機を買ったけどいつもローストビーフばかりで飽きてきた!っていう方はぜひトライしてみてください。

そして近所で有名なパン屋さんで美味しいバゲットを買ってきて一緒にワインと楽しみましょう。

バゲットの美味しい焼き直し方はこちらの記事で無駄に詳しく解説しています。

では最後までお読みいただいてありがとうございました!

楽しんで料理していきましょう!!

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