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焼くことで何が変わる?(衛生編)
次は調理師の視点から解説していきましょう。
調理師の命題とは「食中毒を出さないこと」です。僕は先生にそう教わってきました。
そもそもの加熱の目的は美味しくすることですが、加熱によって菌やウイルスを死滅させるという目的もあるのです。安全な料理にするということですね。そのために調理師の勉強する科目には「衛生法規」や「公衆衛生」が入っています。
お肉をフライパンで焼くことによってどうなるかを、またお肉を例に挙げてみてみましょう。
お肉のフライパンに当たっている面は高温で加熱されるので、菌は数秒で死滅します。熱に強いウイルスや毒素もありますが肉の場合はほとんどが大腸菌の類なので加熱で死滅です。二次汚染されている場合はこの限りではありませんが。
肉の内部に菌やウイルスが入り込んでいる場合もないわけではないですので、肉の内部温度を菌が死滅する温度まで上げます。
こうして安全な料理が出来上がるわけですね。
焼くという加熱で安全な料理が食べられる。素敵ですね。
ちょこコラ 食中毒の話
食中毒って?
「〇〇という店で〇〇を食べてお腹が痛くなった」
なんていう話聞いたことありますよね。それがもし本当のことならすぐに病院へいってください。でも、実は大半は食中毒じゃないんです。
逆説的にそれがもし食中毒なら・・・
- 体内に菌やウイルスが入ってからすぐに発症しない
- 必ず潜伏期間がある(0.5~2日)
- 発症するのは主に【下痢】【嘔吐】【高熱】
- 腹痛だけとかそんな生ぬるいものじゃない
なのでその原因は食中毒菌によるものではない可能性が高いのです。
もしお店が食中毒患者を出してしまうと、営業停止になったり営業許可を取り下げられたりするとても重大な過失なのです。
だから安易に「〇〇という店で〇〇を食べてお腹が痛くなった」とは言うべきではないのです。
ただ、そのお店が「腐敗した食材を使っていた」のならすぐに腹痛になっても全く不思議ではありません。体内に入るべきものではないと脳が判断した時には、緊急措置として直ちに嘔吐や下痢という排出手段が選択されまからね。
外食は信用できるお店で。
美味しい温度
お肉を焼いて加熱すると
メイラード反応により風味化合物がたくさん生成され、美味しく感じる要因となり、
表面の大腸菌類は滅菌され、内部も適切温度になることにより食中毒の危険性はめちゃめちゃ下がる。
ということがわかりましたね。
しかし、超高温で長時間加熱したお肉が果たして美味しいでしょうか?

高温で長時間加熱することによって中まで超高温になりますね。
高温で加熱されたタンパク質はどんどん硬化して中の水分を絞り出してしまいます。絞り出してカラカラになったらジューシーな食感からは程遠くなってしまいます。結果美味しくないものが出来上がってしまうんです。
では一体どのように加熱をしたら美味しくなるのでしょうか?
皆さんはもうお分かりだと思いますが、
- 滅菌し
- 水分を焼失せず
- 表面をメイラード反応させ
- 内部まで加熱する
もう本当に魔法でも使わないとできないくらいの無理難題ですよね!
だから肉の火入れや魚の火入れは料理人の永遠のテーマなんですよ。
何種類もの加熱機器を駆使したり、ゆるい加熱と休ませる作業をずっと繰り返したり
料理人は独自の手法を探求しているのです。

「焼く」のまとめ
- 「焼く」は加熱法であり、加熱とは温めること
- メイラード反応で美味しくなる
- 菌やウイルスを殺す
- 加熱温度には気を配る
- 料理人の永遠のテーマ
今日は「焼く」という料理用語を解説しました。
結局、どうやったら美味しく肉が焼けるのかについては言及していません。肉の厚みや加熱前の温度、肉の元々のポテンシャルなどによって一概に言えないからです。だから料理人は頭を悩まし、一筋縄ではいかない火入れの技術を日々磨いているのです。
ではまた。