生肉の味について:生肉のうまみ成分

馬肉に代表される生食用の生肉

生肉=新鮮と言ってありがたがる風潮は現在でも見受けられます。

では生肉は本当に美味しいのでしょうか?基本的なことを見ていきましょう。

*牛肉の生食は規定の施設と器具を備えかつ、規定の処理を行っているという認可の取れている店でのみ販売を許可されています。馬肉の場合は食肉処理場がその認可をとっていますので生食用として販売されています。

生肉の味(=旨味成分)

肉や魚といった動物性タンパク質の中には旨味成分として代表される

  • グルタミン酸
  • イノシン酸

が含まれています。

熟成過程でイノシン酸は増えていきますので、牛肉や豚肉は熟成期間を設けてから出荷されます。(鶏肉や魚は腐敗スピードが早いため熟成期間はありません)

生肉と加熱肉の旨味成分の違い(=生>加熱)

実は加熱によりグルタミン酸やイノシン酸は失われていきます。

特にイノシン酸は消失率が高く、加熱による旨味減少リスクはかなりあります。

急速加熱では緩慢加熱に比べて、グルタミン酸の減少率が大きく、生肉の88%になった。イノシン酸は緩慢加熱では生肉の約16%にまで減少した

鶏肉の加熱調理方法による旨み成分の変化 日本調理科学会大会研究発表要旨集
結構イノシン酸は無くなってしまうんですね💦

加熱調理することで旨味成分が減っていきますが、もちろん加熱調理によるメリットもあります。そのメリットが旨味成分を上回っているの良い例が肉を焼く場合です。

味において加熱調理することのメリット(=メイラード反応)

まず、旨味成分のことはおいといて考えてみましょう。

ざっくり言うと、肉を焼くとメイラード反応して風味化合物がたくさんできて香り成分がメチャ増えます。

この「香り」の要素が料理の味においてかなりの重要度があります。もしかしたら「旨味」よりも重要なのかもしれません。

味は舌と鼻という感覚機関から脳に伝達され、脳で味を理解します。

そうです。生肉には「香り」の成分がほとんどないのです。

ですから焼いた肉の方が圧倒的に香りの情報量が勝り、旨味成分だけで良し悪しを判断できないのです。

ユッケも卵黄や甘めのタレで食べますよね?それだけ生肉は味の総合的要素が少ないのです。

では生肉はどのようにして食べるのが良いとされているのか見ていきましょう。

推奨される生肉の食べ方(=濃い目のタレ)

馬肉の場合

ネットショップなどで生食用の馬肉を簡単に購入する事ができますね。

その商品の近くに「専用のタレ」はありませんか?この「専用のタレ」が巧みな設計で作られているのです。

もちろん醤油やほんずでも食べることはできますが、この「専用のタレ」は甘味とコクが感じられるようにできています。

馬肉の産地である九州地方の醤油って甘いですよね?そう言った地域性もあると思いますが、これが生肉にぴったり合うんです。

居酒屋さんなどで馬刺を注文したら95%こういった専用のタレが出てきます。

生肉の香りが薄い分、タレの力で補填すると言ったイメージです。

生レバーの場合(過去の話)

今では絶対に食べる事ができなくなった生レバーですが、思い出したください。

何で食べていましたか?

ごま油と塩です!

ごま油が香りの要素を補っていますね!

*塩は油には溶けないのでこの組み合わせは完全に間違いですがそれは置いといて。

生肉の鮮度(=関係ない)

一般的に「新鮮だから生で食べられる」と信じている方が多いと思いますが、それは間違いです。

前述のとおり、肉は熟成させてから出荷になりますので(牛肉の場合は2〜3週間)店に到着する頃には新鮮ではない状態になっています。

もちろんその間は厳格に温度管理されており、雑菌の外部からの付着やすでに居る菌が増えないように対策されています。

温度管理がなされていないものや長期間保管されていたものは「腐敗」という「菌」以外の悪い要因が増えるのですがそれは一般的な解釈で間違いありません。

ではなぜ今、生食用の肉が馬肉以外はないのでしょうか?

もちろん牛肉の生食(ユッケなど)は限られた施設でのみ可能です。それはまた別記事で解説いたします。

まとめ

  • 生肉は加熱肉と比べて旨味成分が多い
  • 生肉は香り成分が少ない
  • 香り成分を補うためにタレがある

生食用の肉は旨味成分はあるけど、それを活かす要素が少ないため味が弱く感じます。

それを補いかつ旨味との相乗効果を狙うような調味料の使い方が良いでしょう。

今回も最後までありがとうございました!

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