ローストビーフの低温調理の温度と時間:赤身肉の塊を柔らかくローストする方法

BONIQやANOVAといった家庭用低温調理機で簡単かつ安全に、柔らかくて美味しくて美しいローストビーフを作る方法を紹介します。

注意点は【温度と時間】

あとは清潔に作業すること+衛生面に関する情報ですね。

では最後までよろしくお願いします。

ローストビーフを低温調理する

低温調理したローストビーフ

まず理解しておかなければならないことが「部位によって食感や味が異なる」ということです。

今回は牛肉をテーマにしていますので尚更です。

牛は鶏や豚に比べて体が大きく、筋肉の一つ一つが大きいので

焼肉店でも部位ごとに違う味わいを楽しむことができますね。

まずはローストビーフに向いている部位を紹介します。

どんな部位がローストビーフに適しているか?

和牛のように霜降り肉質のものは必然的に柔らかく仕上がりますので、和牛を使うときは心配しなくてもいいでしょう。

今回はオーストラリア産牛や国産のホルスタイン、交雑牛の場合で見ていきましょう。

いわゆる【赤身肉】と呼ばれるものです。

もちろん『赤身=筋肉≠脂』です。若干の霜降りがある場合もありますがそんなに柔らかさに期待はできません。

しかし低温調理で丁寧に加熱することで、赤身肉の美味しさ+ヘルシーさ+柔らかさを表現できます。

赤身でも柔らかめの部位を紹介します。

お肉の柔らかさとは?

お肉の柔らかさの理由は以下の通りです。

  • 筋肉に脂が入っている(霜降り)
  • あまり動かさない筋肉部位である
  • 水分が多い
  • 筋細胞(筋繊維)が細かい

脂は温めると溶けるので柔らかく感じますし、ジューシー感という言葉に代表されるように水分も重要な要因です。

モモ

モモ肉と一言で言っても、牛のモモはかなり大きくて流通する一つの塊は10kgほどです。

その10kgが全て同じ食感同じ味というわけにはいきません。

スーパーでは「もも肉」と表記されているだけなので外見だけでの部位判別は難しいですね。

モモは

  • マルシン
  • うちもも
  • 外もも
  • かめのこ

に再分類されます。このうち一番柔らかいのがマルシンです。硬いのは外ももやかめのこですね。(あくまでも4つの中で比較した場合)

またマルシンでも両端は硬くて適しません。その他の部位でも同様に両端は硬い場合が多いです。

当然ですが各部位で価格は異なり、マルシンは一番高価です。

ランプ

こちらも塊で10kgくらいですが

に再分類されます。

ももに比べて価格は少し上がりますが、品質はこちらの方が上。

ラムしんは柔らかいのでおすすめ。イチボは脂が入りやすい部位なので柔らかくなりそうですが実は場所によっては固くて扱いが難しいです。

ランプも使いやすいですね。価格も納得いくレベルではないでしょうか。

ネクタイは薄い部分なので料理によっては難しいですが、とても柔らかくて美味しい部分です。

サーロイン

言わずと知れたステーキ用部位。

上に脂が乗っていて、困ったことに脂と肉の境目に分厚めの筋があります。

ローストビーフにするときはそれを除去しなくてはならないので全体的な価格が上がってしまいます。ですが味は申し分ありません。

スーパーでは大きな版でカットされていることが多く、固まりで入手するのは無理でしょう。

ネットショップなどで「ストリップロイン」と検索してみるとサーロインが出てきますので、そこから固まりで購入してみるのもいいかもしれません。

僕はオージービーフやアンガス牛のサーロインをローストビーフにしています。

スジ部分は柔らかく煮込んで他の料理にしていますよ。

ヒレ

牛肉の中で一番動かない筋肉で、赤身なのに柔らかさはピカイチです。

ヒレの中でも分厚い部分を「シャトーブリアン」と言います。

ヒレ肉は水分が多く独特な匂いがありますが、厚切りにしてローストしても問題ない柔らかさ。

高級部位なのでなかなか手が出ませんがこれを使うと成功率は上がります。

上記の種類がローストビーフ向きですね。

脂や筋を除去した小分け真空パックも業務用でなくても流通していますので手軽に手に入れることができます。

次項からは作り方の解説です。

ローストビーフ用の肉の下処理

お肉屋さんで購入するときはすでに筋がない状態だと思いますが、ネットなどで購入するときは自分でやることになります。

また余分な脂もここで落としておきます。

家庭でする場合、あまりにも大きいブロックだと加熱時間がかかってしまうので厚さは5cmくらいがいいでしょう。

そして大切なのは「塩」です。

焼く直前に振るのではなく、内部まで浸透させて味をつけるのが目的なので前日に済ませておきます。

塩を振ると脱水されて水分が抜けるのでは??

確かに脱水の効果はあります。これは塩が中に入っていく浸透圧で水分が外に出されるからです。

これは塩味が付いている証拠なので、多少の脱水はしょうがありません。

なぜしっかり塩を浸透させるのかというと

  • 表面に塩がついた状態で
  • 薄切りで提供すると
  • 味がぼやけるから

なので内部にしっかりと塩味が感じられるようにするためです。

ちなみに胡椒は提供直前に。低温調理の時間が長いので胡椒と一緒に加熱してしまうとかなり香りが強くついてしまうからです。

ここまでが前日の作業です。

ローストビーフの低温調理

低温調理機をセットして任意の温度に合わせるのですが、そこで気になるのが「設定温度」です。

今回のローストビーフの作成は、ミディアムレアのステーキのような断面がグラデーションになるようなものではなく、

外側から中心まで均一に火が入った状態を目指します。

これを簡単にやってしまうのが低温調理機の良いところですね!

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結論=芯温52度で2時間

先に結論を出してしまいましたが、これを実践すると一番最初の写真のような仕上がりになります。(使用部位はマルシンです)

温度設定は部位ごとに若干変わりますので一つの目安として捉えてください。

いろいろな文献や、有名なシェフの発信を見ると52度で長時間加熱がトレンドのようですね。

実際にやってみるとかなりしっとりした仕上がりになります。

最近ではもっと生に近い仕上がりを求めるシェフも多く、「温める程度」の火入れをしている人もいますが

今回紹介する低温調理のローストビーフは、内部まで均一に火入れされた状態をゴールに設定しているので

芯温とって2時間加熱という結論になります。

ここで最も大事なのは「衛生的安全」ということです。

僕はかなり温度に気を使って仕込みをしているので安全度は高いと思いますし、前日に塩してからの冷蔵庫保存温度も2度と低めです。

家庭用冷蔵庫の温度は不安定で、設定も少し高めだと思います。

なので調理に入る前段階での肉のクオリティで、安全度が変わってきますね。

この温度と時間の根拠ですが、僕が有名なシェフのセミナーに行ったりだとか自分で肉の温度を計りつつやってみた結果です。科学的根拠はありません。

確かにタンパク質が凝固する温度よりもかなり低いので、固くなることはありません。ですが逆に衛生面の危険性を孕んでいます。

いつも危険と裏腹の低温調理

菌やウイルスが目に見えたら簡単なのですがそういうわけにはいきません。

今までの研究結果や色々な文献から学習するほかないのです。

加熱調理をする大きな理由として「殺菌」が挙げられます。熱によって菌やウイルスを殺すということですね。

では一体何度で死滅するのかを理解していないとしけないことになりますね。

  • 75度で一瞬
  • 70度で数秒
  • 65度で5分
  • 60度で35分(サルモネラ菌の死滅温度帯)

こんな感じで温度と時間の関係は反比例しています。また、

目的温度まで到達するのに時間がかかりすぎると危険度も上がります。

生食可能な牛肉の安全性を知る

では生食できる牛肉はどのように安全性を担保されているのでしょうか?

そこを知ることで低温調理に必要な衛生知識が得られます。

その昔、牛レバーやユッケといった生食文化がありましたが、ずさんな管理により大規模な食中毒事件がありました。

それから規制が強化され安全に食するための管理方法が制定されたのです。

かなり強めの規制なので、一般的な厨房を要する焼肉店・飲食店では生肉の提供はほぼ不可能になっていますが

これを知識と捉えてご自身の低温調理に生かしてみてください。

販売可能な生食用牛肉の定義とは

✔️生食牛肉の定義
  • 腸内細菌科菌群が陰性(前提条件)
  • 専用場所・専用設備・専用器具で加工すること
  • 塊肉表皮〜1cmを60℃で2分間加熱し切り落とす
  • 専用場所・専用設備・専用器具で調理すること

これらを見て、低温調理に生かせるところは

  • 塊肉表皮〜1cmに菌汚染の可能性がある
  • 提供時に清潔な場所・器具で調理する

このようなことがわかってきますね。

ローストビーフは生食用牛肉の定義外なのでどんな調理をしても法的に引っかかることはないのですが

より安全に食べるために知識として持っておきましょう。

低温調理後の仕上げ(=フライパンによる加熱調理)

低温調理が終わったらすぐに食べてはいけません。

なぜなら危険温度帯と言われるゾーンを長時間滞在しているからです。

すぐに袋から取り出して水分を完全に引き取り高温に熱したフライパンで焼きましょう

ここでの作業はいわゆる加熱調理の目的である

  • 殺菌
  • メイラード反応

です。

効率よくメイラード反応させるためには周囲の水分が邪魔なので、完全に拭き取ってから焼きましょう。

焼く時間が長ければ長いほど熱が肉の内部に進行していくので、外側直下の食感も柔らかくすることにこだわるのなら超高温で短時間でメイラード反応させるようにします。

この作業は肉塊の周囲を殺菌処理しますのでより安全になるということです。

ローストビーフの低温調理で大事なのは、

・温度と時間
・表面の高温焼成

これで美味しくできます!

ローストビーフの低温調理|まとめ

  • 部位を選定する
  • 筋や脂を除去し、前日に塩をしておく
  • 任意の温度と時間を設定(自己責任)
  • 水分を拭き取り周囲を焼成する

低温調理機はイージーで高品質の料理が楽しめますが

美味しく安全に調理しましょうね!

今回もありがとうございました!

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最後までお読みいただきありがとうございます!

赤身肉のローストビーフこそ、低温調理機が適している料理だと思います。
温度や時間をしっかり管理して、そして
最後に「高温で表面を焼く」

焼く前には必ず水分を拭き取るだけで加熱時間が短縮できます。

以上参考になれば嬉しいです!
ありがとうございました!

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