実はカルボナーラは単純な材料ですぐにできる即席パスタです。これをマスターしておけば育ち盛りの中高生のパワーフードや買い物に行かずにできるお昼ごはんとして活躍しますよ!
卵の加熱さえ気をつければいいだけなので複雑な料理を作るよりも短時間で美味しくできます。
こんにちは!なおです。
今回はみんな大好き「カルボナーラ」の作り方を解説していきます。よろしくお願いします!
_φ(・_・ もくじ
解説:カルボナーラの作り方
カルボナーラはよく言われるのが「クリーム系のソース」。これは実は間違いです。早速材料を見ていきましょう。
主な材料と手順
- パスタ(スパゲティ、フェトチーネ、ペンネ など)適量
- ベーコンなどの加工肉
- 白ワイン
- 卵
- チーズ
- 黒胡椒
- パスタを茹でるための塩
ソースは卵とチーズです。そこに茹で湯が入ってあのソースになります。よくある失敗は「卵が固まってボソボソになった」です。ダントツこれですね。今回は絶対にここを回避していきましょう。理由は分かりますよね?卵が固まる温度まで上げてしまっているからです。狙うべきゴールが分かっていたらどんな道を通って行ったらいいか大体見当がつきますよね。
ざっくりとした調理手順は以下の通りになります。2つのコンロの同時進行で見ていきましょう。
コンロ1 | コンロ2 |
塩分1%の湯を沸かす | (ボウルに卵とチーズと黒胡椒を入れ混ぜる) (ボウルは暖かい場所に置いておく) |
パスタを茹ではじめる | ベーコンを焼く カリカリになったら白ワインを入れ白ワインはほとんど蒸発させる |
パスタが茹で上がる | 茹で湯をフライパンに入れパスタも入れる |
ボウルの中身を入れ、混ぜながら加熱する |
すごくシンプルですよね。なんだか簡単にできそうですよね?そうです。簡単ですよ〜
では詳細な解説に参りましょう!
詳細解説
解説しながらパスタ料理 全般に応用できる基礎的なところも語っていきますので、これらも応用に活かしてください。
コンロ1
パスタ1人前はロングパスタなら90~100g、ショートパスタなら75~90gです。ショートパスタは茹で時間が長くよく水を吸って増えるからロングパスタよりちょっと少なめがいいでしょう。また、ショートパスタはアルデンテに神経質にならなくてもいいので(多少柔らかくても美味しく食べられる)例えば来客などのおもてなし料理の時、品数が多い場合などは1番最初に作っておいても大丈夫なくらい頑丈です。
茹で湯に入れる塩は基本1%。レシピや作り手によって変わってきますが1~1.4%ですね。おうちでは1%でいいと思います。少ない湯量だと煮詰まったら塩分濃度が上がっちゃいますからね。
コンロ2
ベーコンはできればブロックのもので。でもスーパーではなかなか手に入りませんよね、、豚バラ肉のブロックに塩して使うのもアリです。薫香が付いてるかどうかの差ですからあまり気にしなくても良いでしょう。ベーコンと指定したのはおうちに常備しているかなーと思ったからです。ミンチでも美味しくできますよ。
ベーコンをソテーしていきますね。これは美味しさの礎になる部分ですので、できるだけ脂を排出させしっかりとメイラード反応させてください。動物性タンパク質が焼けた香りは非常に食欲をそそります。効果的に引き出すには少量の油でベーコン自身の脂を溶かし出し、その脂で加熱していくとうまくいきます。植物性の油よりも動物性の脂(肉の脂やバター)の方がメイラード反応しやすいのと、動物性タンパク質との香りの相性がよく香りの相乗効果が得られますからね。味はシンプルでも香りを複雑にすることで料理自体に深みが出てきます。
ベーコンが焼けたら白ワインを入れます。これはもともと「デグラッセ」という行為で、肉などを焼いた後の鍋に茶色く焼け跡のようなこびりついたものを水分で溶かし落とすという意味があります。もちろんそのためなのですがカルボナーラでは重要な「酸味」の役割を果たしてくれます。
というのも、材料が結構塩気が強いものばかりなので少しの酸味があった方が塩味が和らぐのでその「塩味と酸味の抑制効果」を狙ったという理由もあります。
ソースの構成物
ソースは卵とチーズと黒胡椒。この黒胡椒は「カルボナーラ」たる所以のところなので必須アイテムです。
温泉卵は67~8度で作られているので(卵白と卵黄の固まる温度が微妙に違う)卵は大体70度以上で固まると思ってください。カルボナーラは卵にチーズという不純物が入るので凝固スピードを遅らせることができます。多くのお店はここに生クリームを入れてさらに固まりにくくしているのです。しかしここではこのカルボナーラが出来上がっただろう背景を鑑みて卵とチーズでいきます。どうしても固まっちゃう時は次回から生クリームか牛乳を入れてみてください。
*卵は全卵?卵黄?イタリアのマンマたちは卵白をどうしてるのかな。。。卵黄が多いと濃厚感が出ますので全卵1+卵黄1でいかかでしょうか。もちろん「卵白どうするのよ」っていう方は全卵1だけでもソースの量としては大丈夫です。
*チーズはなんのチーズ?粉状で売っているものならなんでもOKです。塊から削るのならハード系のものですね。パルミジャーノやペコリーノ、二つ混ぜても美味しいですよ。チーズの分量は卵と同じ量が目安になります。正確にはからなくても目分量でどうぞ。きっとイタリアのマンマたちもはかっていませんのでね。
ここが重要:ソースがボソボソにならないようにする
よくある失敗例が「卵に火が入りすぎて固まる」です。この失敗例ってよく聞きますよね、そしてこれを聞いて諦める人が非常に多いと思います。ですがまずはやってみましょう!出来立てのカルボナーラはレトルトのソースよりずっと美味しいですからね。
また、よくある調理法で「ボウルに合わせたソースにパスタを入れて湯煎で火入れしていく」ものや「ボウルのソースに茹で上がったパスタを入れ、パスタの熱で完成」というのもあります。
湯煎で加熱ならフライパンで気をつけてやれば一緒ですが、卵が生のままなので2つ目のは論外ですね。
加熱プロセス
ベーコンが焼かれ白ワインが入ったフライパンにパスタを入れ、ソースを入れます。そこでまずざっくり混ぜると、パスタの熱がソースに移り全体的に55度前後になります。
ソースの量を見て少なければ茹で湯を少量入れます。(60mlくらい)そこから徐々に温度を上げていきますがここでは現在のパスタの温度を予想するのが大切です。目標の温度は約70度でしたよね。急激にフライパンを熱するとあっという間に鍋底は高温になります。「混ぜながら」が大事です。
ここで鍋ふりができる人は存分にやってください!鍋ふりは素早く混ぜることができる超時短テクニックですからね。カルボナーラでは混ぜながら加熱しますがもう一つ重要なことがあります。
「冷ましながら温める」です。ちょっとコンロから外して混ぜたりして温度の上昇を緩やかにします。ここをやらなくてずっと火にかけているから卵が固まるんですね。なんとシンプルな理由でしょうか。余熱の解説でも出てきましたが緩やかに温度を伝えていく「加熱する」「加熱やめる」を繰り返す手法です。簡単なのでぜひやってみてください。
卵が生のままだと液体ですが、加熱が進むととろみがついてきます。だんだん温度が上がっていっている感じわかりますか?ソースとしてパスタに美味しく絡むようになったら出来上がりです。
卵の気持ちは?
卵は約70度で固まり始めます。70度になったら全部が一気に固まるというわけではありませんよ。鍋底に触れている場所から熱が入っていきますので混ぜると温度がなじみ、また下がります。これの繰り返しなのでソースを入れてからは鍋底のソースをゴムベラで剥がして混ぜるのを素早く繰り返してください。
卵は固まりたくてしょうがない温度になると容赦無く固まります。なのでだましだましいきましょう。押してひいてみたいな感じかな?とにかく温度が上がっていくのを悟られないように気をつけてください。バレたら一気にボソボソです。
卵の気持ちになって考えましょう。「あったかくなってきたなぁ」「ああいい湯だなぁ」「なんだが熱くなってきたなぁ」決してのぼせないようにしましょうね!
加熱を終えたらお皿に盛り付けると、そこから温度が上がることは絶対にありません。安心してください。たっぷり粗挽きの黒胡椒を引いて召し上がれっ!ですよ。ちなみに粗挽き黒胡椒はそんなに辛味はありません。結構多いなーってくらいがちょうど良いでしょう。ソースの中に入れる胡椒は細かい引き目にして香り重視にします。粗挽きは「味」の役割ですね。
ちょこコラ:カルボナーラとは
カルボナーラってそもそもなんなのでしょうか?
wikipediaによりますと、『1950年のイタリアの新聞『ラ・スタンパ』にもアメリカ軍将校が求めた料理と記されている』とあります。アメリカ軍が持ってきたベーコンと、アメリカ人が好きな卵を使ってイタリア人シェフが考案したとされています。
僕はこの逸話を元に今回のカルボナーラのレシピを作りました。ベーコンじゃなくてグアンチャーレだろとかパンチェッタだろとか言われそうですが、起源には出てこないんですなー。
炭焼き職人は山で仕事しているので、料理に使える食材は山小屋にある塩漬け肉や新鮮な卵、保存食であるチーズ。
山小屋の中に吊られている塩漬け肉は炭焼きの煙に自然と燻され、薫香を纏っている。
炭焼きの仕事は過酷で重労働。それに加えて暑い!だからいっぱい汗をかきますね。塩漬け肉やチーズには塩分が多めなのが合点が行きます。
で黒胡椒は炭の粉が降りかかった様子。メルヘンですね。
冒頭に「パワーフード」と書いた理由はこれなんですね。高カロリーで塩分多めで簡単にできる料理はまさに屈強な男向けです。日本ではお子様や女性に人気ですが、肉体労働者が食べてこそカルボナーラだなあと思います。僕も男の人がオーダーしてくれたらなんだかガッツリ目に作っちゃう傾向が。ちなみにローマっこはカルボナーラといえばペンネです。しかもローマでも子供に人気ですよ。
カルボナーラのまとめ
- 材料はベーコン、卵、チーズ、黒胡椒
- ソースは冷ましながら加熱
- 卵の気持ちになる
- 実は高カロリーパワーフード
いかがでしたでしょうか?卵のことだけちゃんと気にかけてやれば大丈夫です。1回失敗してもちゃんと対策を考えれば次回は絶対に成功します。卵の火入れがうまくできたらもうあなたは初心者どころではないスキルを身につけています。誰かに食べさせて「美味しい!」って言ってもらいましょう!
料理は到着したいゴールをはっきり見ながら進むのが上達への道です。ある程度わかってきたら今度は目隠しでゴールを探しながら行ってみては?また新たな楽しさが見えてくることでしょう。すべての料理好きに捧げます。
今回もありがとうございました!